「人とのかかわりを通してその人の“愛おしいポイント”を見つけられる、そういう仕事だと思っています」
精神保健福祉士 江尻有里佳
- 学生の頃、実習中に長期入院の方々と出会って、「どうして退院できないんだろう」という疑問を持ちました。自分が精神保健福祉士としてかかわることによって病院以外で生活できる可能性が広げられたらと思い、地域移行支援を積極的に実施している聖十字病院への就職を希望しました。
- 1年目、2年目は地域移行機能強化病棟、3年目からは精神科救急病棟でそれぞれ病棟担当の精神保健福祉士として働いています。主な業務は患者様、ご家族からの日常的な相談や面談、カンファレンスへの参加、関係機関との連絡調整、保健所等への届出書類の管理などを行っています。
- 患者様との関係性ですね。いつも「自分が患者様だったらどう思うか」ということを心がけていて、自分だったら担当ワーカーは相談しやすい人がいいなと思うから、親しみやすいよう笑顔を大切にしています。
- 自分の無力さを感じる時がつらいですね。話しやすい医師や経験豊富な先輩が多く、相談はしやすいのですが、その分、根拠をもって伝えられない自分の勉強不足を感じます。
- 担当した患者様が退院して地域で元気に暮らしているというのももちろん嬉しいのですが、わたしは人の“愛おしいポイント”を見つけたときが嬉しいです。この仕事は人生の一部に携わらせてもらう仕事なので、その人の色々な面を見せていただくことになります。その中でその人の素敵な部分=“愛おしいポイント”を見つけたとき、心がキュンとして嬉しい気持ちになります。
- メンター制度やスーパービジョン制度があり、精神保健福祉士が先輩や後輩とのつながりの中で成長できるようになっています。
私は現在、スーパーバイザーから月一回指導を受けていますが、自分だけでは気づけない自分自身の新しい一面に気づくことができます。 - この仕事は自分と向き合わなければならないので、正直、楽な仕事ではないと思います。それでも人として成長したくて、たくさん悩みながら働いています。自分が悩んでいる分、後輩のサポートもしたいですし、そうやって互いに高め合えたらと思います。